2017年12月9日、気温31度。シャツに汗がにじむほど暖かい、カリフォルニアらしい、さわやかな青空の下で行われた、エンゼルスへ大谷翔平選手の入団発表。日本ハムで投打の「二刀流」で活躍し、23歳の若さでポスティングシステム(入札制度)を利用して、エンゼルスへの移籍を決めた大谷選手を見ようと、日米の多くのファンとメディアが集まった。
  発表の翌日にも関わらず、詰めかけた1000人を超すエンゼルスファンが集まり、「SHOHEI OHTANI」のアナウンスとともに、「ショヘイ」コールの大歓声で大谷選手を迎えた。
「ハイ、マイ・ネーム・イズ・ショウヘイ・オオタニ」と英語で始めた会見。続いて日本語で「日本でもプレーするときはもっと多くの方がいたりするんですけど、こういうふうにしゃべるというのはあまり慣れてなくて、聞き取りづらかったら申し訳ないなと思います。今はすごく緊張しています」。最初に関係者への感謝の言葉を並べるとともに、ワールドシリーズ制覇への意欲を表明した。
 ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムの本拠地エンゼル・スタジアム正面に設けられた屋外ステージで、入団記者会見に臨み「縁みたいなものを感じた。いい球団だと思ってお世話になろうと決めた。それは感覚的なもので、エンゼルスにしたいという気持ちが出てきた」と語った。
 日本選手では前例のない、ファンに全面公開された青空会見。2011年に、カージナルスから移籍した強打者、プホルスとCJウイルソンの共同入団記者会見が行われた際の4000人には及ばなかったものの、注目と期待の高さを表すように1000人超が詰めかけた。
 デニス・クール球団会長、モレノ球団オーナー、ジョン・カーピーノ球団社長、マイク・ソーシア監督、ビリー・エップラーGM、ネズ・バレロ代理人、マット日高通訳らが同席した大々的な会見となった。
 ANAHEIMは、カリフォルニア州南部オレンジ郡内の都市。ロサンゼルスの南東約45km、サンタアナの北西約10kmに位置する。人口は35.1万 (2016年)。カリフォルニア州で第10位の人口規模を抱える都市である。世界初のディズニーランド、MLBやNHLのチーム、及びコンベンションセンターがよく知られている。オレンジカウンティには多くの日系企業が進出しており、NITTO TIRE、YAKULT、YOKOHA TIREなどがスタジアムのスポンサーになっており、今後、多くの日系企業が参加すると思われる。
  日本からの観光客にとっても昼は「ミッキー」夜は「二刀流」というように、ディズニーランドとエンゼル・スタジアムは車で5分の近さ、昼はディズニーで遊び、夜はエンゼルスで「二刀流」観戦と同時に楽しみが増えるだろう。



エンゼルスマップ


ロサンゼルス・エンゼルスは1961年のアメリカンリーグの球団拡張によって誕生した球団で、1979年に初の地区優勝。1982年と1986年にも地区優勝を遂げている。2002年にワイルドカードを獲得し、そのまま勝ち上がって初のワールドチャンピオンに輝いた。2003年以降は大規模な補強を行い、2009年までに4度の地区優勝を果たすなど、リーグ屈指の強豪チームに成長した。カリフォルニア・エンゼルスと改称を経てウォルト・ディズニー社がオーナー(当時)となった97年からアナハイム・エンゼルスとなる。2002年にワイルドカードでポストシーズンに進出し、創設42年目で初のア・リーグ優勝とワールドシリーズ制覇。05年にロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムとなった。日本選手は過去に長谷川滋利、松井秀喜、高橋尚成が所属した。マイク・ソーシア監督。打線はア・リーグ最優秀選手に2度輝き、オールスターに6年連続で選出されているマイク・トラウト外野手がいる。また、通算614本塁打のアルバート・プホルス内野手、今オフに5年間契約延長したジャスティン・アップトン外野手ら右の強打者が並ぶが、



前日に購入したというチームカラー、赤のネクタイを締め、本拠地・エンゼルスタジアム正面に設けられた屋外ステージに、やや緊張した面持ちで登壇。会見はは大谷選手の経歴紹介から始まった。大谷翔平(おおたに・しょうへい)は1994(平成6)年7月5日生まれの23歳。出身は岩手県。地元花巻東高卒業の2013年、メジャーをめざすが、ドラフト1位で日本ハムが指名、入団する。1年目から投手と打者で活躍。14年にNPB史上初となるシーズン2桁勝利&2桁本塁打。16年に投手として10勝、打者として22本塁打、史上初めて投手とDHでベストナインを同時受賞。16年、日本最速の165キロをマーク。1メートル93、97キロ。右投げ左打ち。独身。



エンゼルス・ソーシア監督と握手する大谷選手。スピーチで、「間違いなく二刀流での起用を考えている」と明言した。既にメジャーでやれるレベルにいるが、成長は止まらない。まだ23歳。肉体的にも精神的にも、技術面でも成長の余地はある」と期待の大きさを述べた。



大谷は大リーグ挑戦表明会見で「まだまだ不完全な選手なので、このタイミングで行ってみたいという気持ちが強かった」と笑顔で話した。プロ選手として5年目。来年オフの移籍であれば多額の契約金を得られる可能性があったが、日本人投手初の殿堂入りをめざし、メジャー挑戦の夢を早くかなえることにこだわった。



入団会見で背番号17のユニホームに袖を通し、モレノ・オーナーと握手で祝福を受ける大谷選手。



伝説の名選手ベーブ・ルースについては「僕の中では神様と同じぐらいの存在。野球をやる上では近づいていきたい」「ファン、球団の方々と一緒につくっていくものだと思っている。応援で僕を成長させてほしい」と呼び掛けると、ファンから大きな歓声が起きた。



「本当は27番にしたかったけど…(トラウトの背番号で)埋まっていたので17番にしました」。ジョークを連発し、会場をドッと沸かせた。「きょう、マイク・トラウト選手の結婚式があります。結婚おめでとうございます」と同僚になるスラッガーに触れて拍手を受けた。



日本では記者の質問にクールに応じ、控えめな態度を見せることが多い大谷だが、この日は表情豊かに“アメリカン・ジョーク”で、新天地に受け入れられようという思いが、見受けられた。



新背番号「17」をつけた真っ赤なユニホーム姿を初披露。右はCAAのネズ・バレロ代理人。協定により、25歳未満の大谷選手のエンゼルスとの契約金は、最大でも231万5000ドル(約2億6200万円)。マイナー契約からスタートし、メジャー昇格後も最低保証の年俸54万5000ドル(約6160万円)となる。メジャーリーガーは実働3年で年俸調停権、同6年でFA権を得る。



マイク・ソーシア監督は2000年からエンゼルスの指揮官を任され、日本選手を理解している1570勝の名将。スピーチでソーシア監督は、先発投手としての大谷を「威力のある球を持ち、ヤング・バーランダーのような投手」と、最多勝に2度輝いたアストロズのエース右腕バーランダーに例えて評価している。



左からエンゼルスのモレノ・オーナー、マイク・ソーシア監督、エプラー・ゼネラルマネジャー。モレノ・オーナー はスピーチで「楽しい1週間だった。クリスマスが早くやってきた。オオタニは、とても礼儀正しい好青年だ」



会見が終わり、晴れやかな笑顔を浮かべた大谷選手。ジョークと抱負で会場を盛り上げた二刀流右腕。メジャーでの第一歩となった記者会見は、大成功となった。



会見後に、球場通路で行われた囲み取材。気候や指名打者制、また、交渉期間中に報じられていた西海岸の小・中規模都市、日本人選手が所属しているかなどの条件は「大きな問題ではなかった」。



大谷翔平選手の話 「どの球団も素晴らしいお話を聞けたと思っているし、何か優劣がつくものではない。気持ちの部分でエンゼルスにしたいな、というものが僕の中に出てきたので決めた。



地元のテレビ局に出演。投手としての1勝、打者としてのホームラン1号はどちらが最初の楽しみかを聞かれると、「どちらも楽しみ、最高なのはどちらも一緒の試合でできることだと思います」と話した。



新背番号「17」をつけた真っ赤なユニホーム。エンゼルス入団会見を終え、リラックスした様子で、集まったメディアにユニフォーム姿でポーズを決める大谷選手。



「17」は岩手・花巻東高で1年時に付けた番号。日本ハム時代の「11」はエ軍の永久欠番となっており、新天地での再スタートへ思いを込めて「17」を選んだとみられる。



入団記者会見が行われたエンゼルスタジアムの正面、ホームプレート・ゲートに立つと、ダイヤモンドが描かれていて、左右の巨大な赤ヘルメットとバットがファンを出迎えてくれる。左の帽子はテレビ局の中継スタジオ(大谷選手のTVインタビューもここで行われた。)ディズニーランドがあるアナハイム市にある。



発表翌日に並んだ大谷グッズ。商機を捉えた素早い商品展開は大リーグならでは。売れ行きも好調でTシャツはすでに1000枚以上売れたと発表。スタジアムのオフィシャルショップで発売されている大谷ユニホームが$29.99。シーズンオフや試合をしていない日でも球場内のギフトショップなどはオープンしていて、シーズン外でもお土産だけは買うことができる。



入団記者会見が行われたエンゼルスタジアムには、話題沸騰のの「TWO WAY PLAYER」大谷選手を見ようと、多くのファンが集まった。



この日は、あこがれの大谷選手を近くで一目見ようと、手作りのポスターを持った大勢の日本人?の姿も。



大谷翔平選手の日本語と英語の垂れ幕が、スタジアム正面両サイドに飾られているれている。開幕までにはトラウトと並んで大谷の看板がお目見えする予定。エンゼルスは2月23日にオープン戦が始まり、公式戦は3月29日に敵地オークランドでのアスレチックス戦で開幕する。エンゼルスは、今季の本拠地試合で来場者に配る景品を発表し、7月12日のマリナーズ戦では大谷翔平投手の首振り人形が先着2万人にプレゼントされる。スケジュールはこちら